最近は、気になるニュースがいっぱいでした。その中でもこの件は触れておきたいですね。
保育士・保育教諭による暴言・暴力についてのニュース。特に7月は多かった。
2歳児に「死んでしまいなさい」、女性保育士2人を解雇 (2019.7.31)栃木県真岡市
どうしてこのようなことが起きるのか?私なりの見解。
1.閉鎖的な職場環境である
最近は男性もいますが、保育の現場はまだまだ女性職場。女性と子どもが中心。
そこに部外者が入ることはほぼない。
例えば、一般企業だったら、取引先がいて、クライアントもいて、お客さまもいる。
仕事が期限通りに間に合わないということは許されないし、提案したことがクライアントの思いにあっていなければ、何度だってやり直して提案を続けて、両者でいい形を探っていく。対応が悪ければ、お客さまから注意を受けることもある。
このようなことは、保育現場では一切ない。要は内々で全てが片付く。だから、
2.注意を受けることに慣れていない
保育教材を検討していて、これでいいですか?と聞かれても、1種類しか持ってこないから、これでは判断できないと言ったり、何をするのか?ではなくて、どうやるのか?が大事だけど、このやり方はちょっと子ども達に難しかったね。この方が良かったと思うよと言えば、「そこまで考えなければならないなんて病気になりそう。」などと言い、自分を否定されたと受け取ってしまう。
イヤ、あなたを否定しているのではなく、方法に対しての指導をしているんですけどね。
それでも、内々で済ませることに慣れているから、注意を受けること自体に驚いてしまうのだ。そして、アレルギーのように拒否し、反発をする。だから、
3.注意ができない
下関市の園長先生の記者からの質問への応答を聞いていて、園長先生は多分知っていた。でも注意できなかったんだなと私はすぐに思いました。
では、なぜ注意ができないか。保育士が辞めてしまうからです。
各園とも保育士の確保には苦慮している。配置基準を満たさなければ、子ども達は受け入れられない。であれば、注意して辞められるよりは、見ないふり・知らないふり・聞かないふりをした方が平和なのだ。だから、
4.感染していく
注意も受けないから当然のごとく、閉鎖的な職場がゆえにおかしな現象がどんどん増大していく。そしてそれは大きな空気となり、流れとなっていく。だから、保育士の大量退職なんていうことが起きるんです。それでも、本人達は自分達が正しいと思っている場合が多い。
考えてみてください。幼稚園教諭にはそんな話はないでしょう。
幼稚園では、私もそうでしたが、新卒の時から一人で何十人ものクラスを担任する。
一人ひとりの教諭が自立して、クラスを何とか回していかなければならない。それは泣きたいほど不安で、毎日が必死でしたが、身につく力は大きい。
一方、保育園は複数担任が主流。常に誰かと共に過ごす。未満児だと3~6名程度の先生方が共にいることになる。そのような環境がより感染力を増してしまうのです。
そんな感じでしょうか。事情は解ります。
待機児童を減らすことに躍起になっている行政は、どんどん子どもを園に送り込んでくる。
保育士の先生方も、訳のわからない小さな子を相手に、時間に追われ、こんな保育をしたかったんじゃない!と思いながら頑張っているのだと思う。子ども達に厳しい言葉を投げつける自分に対して、自己嫌悪に陥りながら保育をしている先生方もいるのかもしれない。
それでもやっぱり、注意も、指導もしない、黙認?放任?の園長先生が悪いと私は思います。全ては上の者の責任。守るべきものは子ども達。子ども達に危害が及ぶことはあってはならないのです。
そして、先生と呼ばれる人達は、3年でも、5年でも、一般企業での就業経験を持つとよい。学ぶことがたくさんあると思います。世界は広く、厳しいものです。