真理子センセイの傑作

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林 真理子さんの新刊(2021年4月28日発行)『小説8050』を読みました。
簡単に言うと、中学時代のいじめが原因で引きこもりになった息子を、父親を中心に、裁判を通して、普通の生活を取り戻していく物語。

舞台は、少し恵まれている家。歯科医の父に専業主婦の母。中学受験をして、進学校に行った息子が、突然「明日から学校に行かない。」と言い出した日から7年。
その原因を突き止める中で、事実を知った父の絶望。素晴らしい弁護士との出会い。独りよがりだけど、コミカルな姉の存在。本当に大事なところで甘さが出てしまう母親。・・
林 真理子センセイは、相変わらず人間描写が素晴らしい。特に高井弁護士の言葉の1つ1つには臨場感が漂う。

林作品は殆ど読んでいるけれど、これは最高傑作ではないだろうか。
深刻な問題を取り上げながらも、必ず希望を失わない。そこが林作品の好きなところ。

ひきこもり100万人時代の「8050問題」。
心を病む子ども達が多い時代。学校に行けない・・という話は、身近でもよく聞きます。どの家庭でも起こりうる問題だけに、一読されても良いかもしれません。大作です。

真理子センセイの傑作

<その他、林作品のお気にいり>
◆『幕はおりたのだろうか』 1992年作品
美里(田丸)美寿々さんと、頼近美津子さんをモデルにした華やかなTV局とキャスターのお話。バブル時代らしいキラキラ感。

◆『下流の宴』  2010年作品
格差社会を題材にし、人の価値観を問う社会派作品。何といっても最後が衝撃的で怖かった。


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